相撲は神事かスポーツか・相撲の歴史や起源、しきたりについて
2018.6.1
相撲といえば昔から日本人に親しまれている伝統的な神事・スポーツです。相撲はスポーツだと思っている人もいれば、相撲は神事だと思っている人もいます。
では、相撲は実際には神事なのでしょうか?スポーツなのでしょうか?知りたいという人もいますよね!
そこで今回は、長い歴史がある相撲とは一体どんなものなのか、歴史や起源、しきたりについて詳しくご紹介します。
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この記事の目次
相撲は神事なの?スポーツなの?
よくメディアを騒がせている相撲ですが、実際「相撲ってスポーツなの?神事なの?」って疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
有名な例としては、「相撲部屋の入門は男子のみである」と限定されている点です。
確かに、昔から女性が相撲部屋に入門したというのは聞いたことがありませんね。
これはいったい、何故でしょう。
理由は、日本の伝統的要素に関係しています。
今から60年ほど前、日本では稲作などの第一次産業が中心でした。
そこで水害などの災害が起こると、神や仏が信じられていた日本では、この災害は悪霊が引き起こしていると信じられていたのです。
そして、この悪霊を鎮める方法のひとつとして、土俵の中で、頑丈な人が四股を踏み、地面を固めて、悪霊が再び現れないようにするということが行われていました。
現在でも、神社やお寺の鳥居にはしめ縄が飾られていますね。
あれは、そこから先は神の領域ということを示しているのです。
この考え同様、俵で囲んだ土俵の中も神聖な場所とされており、昔はその土俵の中で力の強い男性が四股を踏むということで豊作を祈っていました。
このようなことから、相撲を「神事」と捉える人のほうが多いといえます。
相撲は神事かスポーツか・女性が土俵に上がることについて
現在の相撲は、昔のように悪霊をふうじこめるということはなくても、伝統的要素は多く残っています。
こうした、日本の神事としての相撲は海外からも注目されており、日本で相撲がしたいから海外から日本にくるという事もあり、日本人としてもうれしいことですよね。
女子が相撲をとる「女子相撲」も広がりをみせており、世界選手権まで行われる競技になっています。
ここで、「女性が土俵にあがっていいの?」と疑問をもった方もいるかもしれません。
「女性が土俵にあがる」ということで賛否両論が飛び交い、問題視された事もあります。
この理由としては、最初に書いた「相撲は神事か?スポーツか?」ということに大きく影響してきます。
テレビで私たちが目にする大相撲は、本場所の前に「土俵祭り」という祭事を行います。これは江戸時代から続くもので、祝詞を奉上し、供物を捧げて場所中の安全と興行の成功、さらには国家の安泰、五穀豊穣を祈念して行う祭事です。
このことからも、大相撲は神事であり、女子相撲等はスポーツと捉えるということで納得できます。
相撲は神事かスポーツか・相撲の歴史と起源
人間と人間の力比べが発祥といわれる「相撲」ですが、歴史を調べてみると日本の神話の時代から始まっていることがわかりました。
700年頃の古事記や日本書記に残っている力比べの神話が相撲の起源という一説もあります。
「古事記」には国譲りの神話が書かれていますが、「日本書記」には、人間同士が相撲をとる様子が細かく描写されています。
ここには、蹴り技や打撃も出てきており、まさに格闘技です。
その後、農作物の収穫を占う祭りの儀式として、毎年行われ、宮廷の行事として定着し300年続くことになります。
武士の時代であった鎌倉時代から戦国時代にかけては、特に武士を鍛えるための訓練として相撲が盛んに行われていたそうです。
特に、相撲を深く愛好していた武将として知られる織田信長は、安土城に日本各地から力自慢の力士を集め、上覧相撲を催しました。
江戸時代に入ると、相撲の広がりとともに、相撲を職業とする人も現れ、歌舞伎と並び一般庶民の娯楽として相撲が定着しました。
相撲は日本の国技じゃない?
「相撲は日本の国技」これは多くの人が聞いたことがあるでしょう。
では、国技とはどういうことを指すのでしょうか。
「国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占める」という考えが浸透しているスポーツという考えが一般的です。
アメリカでは「野球」、カナダでは「ラクロス」など、国によって国技は様々です。
しかし、法的には「日本の国技は相撲」と定められたことは現在までないのです。
相撲の場合は、公式文書の中で「相撲は国技である」と認められたことがあります。
多くの人の中で、相撲=日本の国技と定着している由来としては、東京の両国にある現在の「両国国技館」が関係しているという説があります。
この建物がはじめて作られたのが、明治42年、あの板垣退助を委員長とする常設館委員会によって建物の名前を「国技館」と命名したことが由来であるとされています。
そして、国技館の開館式の中でも「相撲は国技である」という内容が読まれたそうです。
横綱の責任について
横綱とは、大相撲での力士の格付け(番付)においては、最高位の称号に位置します。
横綱とは、もともとは白麻で編んだ太いしめ縄のこと。
つまり、横綱は綱そのもの=神という特別な存在であるとされています。
勝つのが当たり前という特別な地位に当たるので、大関以下のように、例え負け越したとしても地位が落ちるということはないのです。
ただし、神同等の立場ゆえに、相当の責任も伴いますので、もし負けが越すようなことがあれば、自身の引退を決めなければいけないということになります。
まず、横綱になるまでがとても大変ですが、なってからも、相撲界を代表する品格と、同時に圧倒的な力量、そして重大な責任も背負う、それが大相撲における横綱といっていいでしょう。