真鯛の刺身は寝かせると旨味が増すってどういうこと?熟成魚とは
2018.11.27
真鯛のお刺身はなんと言ってもコリコリとした歯ごたえと、あっさりとした白身の味わいですよね?
ですが、鯛や平目などの白身魚を寝かせると、旨味が増して捕れたての魚とはまた違う味わいになるのだとか。
もちろん、スーパーで買ってきた切り身をそのまま冷蔵庫に放置しておいては、痛むだけです。
刺身を寝かせて熟成させるということについて、向き不向きの魚の種類、便利な道具について調べてみましたので是非読んでみてください!
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この記事の目次
真鯛や平目などの白身魚を刺身で食べる時に『寝かせる』と旨味が増すってどういうこと?
食べる前に『寝かせる』という作業を行うお魚がいます。
まさにこの記事のテーマである鯛や平目がそうなのですが、こうした寝かせて魚介類の旨味を引き出す方法を『熟成魚(エイジングフィッシュ)』といいます。
こうした作業でなぜ旨味が増すのかという理由ですが、それは『お魚は釣って食べるまでの間に旨味が増すから』です。
お魚はこの寝かされている時間の間に身に含まれている『ATP(アデノシン三リン酸)』という成分が『IMP(イノシン酸)』という成分に変化します。
この現象が『熟成』です。
締めたばかりのお魚はこのATPが旨味成分に変わっていないので味が薄い、という事態が起きるのです。
しっかりと熟成を行えば、旨味成分が増すことで魚が持つ本来の旨味を最大限引き出して味わえるということになります。
真鯛の刺身を寝かせる時は『放血』をしっかりと!
『放血』とはいわゆる『血抜き』のことです。
放血はしっかりと行わなければ魚の旨味を引き出すことが出来ません。
いくつかのポイントに注意しながら美味しくお刺身を食べるために、きちんとした放血を行いましょう。
放血のポイントは、
- 内臓は傷つけないこと。
- 血管の切断は1箇所だけにとどめること。
- 切るのは一番太い血管だけで、『エラの付け根ではなく背骨(側線)の直下部分』を切ること。
- 心臓のポンプを利用して血を抜くこと。
この4つを気をつけつつ放血を行ってください。
そしてさらに大事なことがあります。
それは放血を行うタイミングです。
『放血は必ず脳破壊(活け締め)の後に行うこと。』
放血を行う際は必ず魚が動かなくなってから行いましょう。
脳破壊を行ったり神経を切断すれば魚は動かなくなります。
そうした状態にしておかないと、魚が暴れて衣服や台所などが汚れてしまうことになります。
真鯛を釣ってきて刺身で食べる!鮮度が命のプリプリ食感と寝かせることでねっとりとした味わいを2度味わって
魚は寝かせることで旨味が増します。
ですからもし熟成に向いているお魚が釣れたときは、釣ってすぐの活きのいい身の歯ごたえを味わい、残しておいた身を寝かせて熟成した旨味もいただくというのがおすすめの食べ方です。
そうした食べ方をする場合には釣ったときに処置をしておく必要があります。
お魚は生きた状態で暴れたりストレスを感じたりすると旨味のもとであるAPTがなくなってしまいます。
旨味のもとがなければいくら寝かせても意味がありませんので、旨味のもとを逃がすまえに処置をしてATPの消失を防ぎましょう。
鯛など、熟成したいお魚を釣った際の処置方法
- 釣り上げたら、エラから包丁を入れて延髄を絶ちます。
- 海水に1時間ほどつけて血を抜きます。
- 内蔵、エラ、鱗を取り腹を洗います。
- 氷の入ったクーラーボックスで寝かせます。
内蔵まで取ってしまうことが重要です。
魚の出す悪臭の殆どが、ばい菌の増殖によるものなのでそれを防ぐためにも内蔵などは取り払ってしまいましょう。
においが出る前にしっかりと洗ってください。
腐ると熟成は違います!
腐ることと熟成には大きく違いがあります。
段階としてお魚は、絶命→硬直→腐敗といった流れを追いますが、その絶命から硬直までの間に旨味成分を増すことのできる熟成が含まれています。
なのでもしお魚を熟成させたい場合は、『その材料となるお魚が新鮮(いい状態)であること』が必須となります。
そのためスーパーなどでお魚を購入した際に熟成をさせたいと思っても、そのお魚がどんな状態にあるのか見極めるのは困難です。
お魚がどんな状態にあるのかわからなければ、熟成させる時間もわからないため熟成は難しいということになります。
旨味が最大限引き出されているタイミングは魚によって違います。
マグロやブリなどの大型魚で一週間ほど寝かせる場合もあれば、小型のもので3日、はたまた1ヶ月ほどまで寝かせる場合もあります。
熟成は難しい技術です。
じっくりと見極めながら行っていきましょう。
熟成に向き不向きのお魚あります!!
お魚には熟成に向くお魚とそうでないお魚がいます。
熟成は魔法のような美味しくお刺身を食べる調理法ですが、向かないお魚に行ってしまうと材料を無駄にしてしまう結果になります。
こうした特徴は『食感』を頼りに見極めていきましょう。
熟成させると旨味は増しますが、その代償に歯ごたえがなくなります。
そのためコリコリとした食感を楽しみたい場合には熟成は向きません。
好みによってかわりますが一般的に熟成が向かないとされるのはイカ(アオリイカを除く)、タコ、貝類などの歯ごたえが食材の持ち味となっている海産物です。
旨味よりも食感を楽しみたいものは熟成に向かないということになります。
ですが好みによっては熟成をさせることで、深みが増した旨味を持つ独特の食感に熟成させることができるため、こうした海産物を熟成させる場合もあります。
好みの熟成度合いのお魚を美味しくたべられますように。