彫刻刀の彫り方。コツや刃の種類についてご紹介します
2018.12.8
彫刻刀の彫り方にコツはありますか?
刻刀は主に4種類あります。
切り出し刀・丸刀・三角刀・平刀です。
切り出し刀だけ持ち方が違い、注意が必要となります。
小学校4年生くらいから彫刻刀を使って図工の授業をしますよね。
彫刻刀の彫り方のコツや彫刻刀の種類について解説します。
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この記事の目次
彫刻刀、彫り方のコツを知りたい!まずは代表的な刃の種類について
三角刀
刃の先がV字型になっているので溝や均一な細い線などを掘るのに適しています。明瞭な輪郭や細やかな模様などを表現する時にも使います。
丸刀
刃先がU字型に歪曲している丸刀は、滑らかな溝を掘ったり大まかに削るのに使います。仕上げの微調整に使うこともある彫刻刀です。
平刀
四角く平らな刃を持つ平刀は、両面使えて平らに削ることができます。滑らかな表面を作りたい時や、平坦な削りに使用します。
切り出し刀
カッターのように斜めで鋭角な刃の形が特徴的です。主に切り込みを入れたり、荒く削ることにも適しています。
一般的な彫刻刀のセットには、この4種類を中心にして4~7本ほどのセットで売られているものがほとんどです。学校の授業などで使う場合は、この4本があれば事足りるでしょう。
彫刻刀を使って木を彫ろう!彫り方のコツは握り方
彫刻刀の持ち方と注意
彫刻刀を使う場合は、右手(利き手)で持ち左手(もう一方の手)を添える形で、必ず両手で持ちます。
たとえば右手に彫刻刀を持ち、添えた左手の(主に)親指で押し出すようにして掘り進みます。左手は絶対に刃の進む方に置かないでください。
彫刻刀の角度と彫り方のコツ
彫刻刀は立てた状態で使うと、より深く掘ることができます。しかし、より力が必要なため広い面積を一気に掘ることはできません。
逆に刀を寝かせた状態で押し出すと弱い力でも浅く彫り進むことができます。よく切れない刀や木の材質によっては滑って彫りにくいこともあります。
平刀の使い方
平刀は丸刀や三角刀で削ってできた削り跡を滑らかにすることができます。刃裏を上にすると掘る素材に食い込みにくくなります。
彫刻刀の彫り方のコツは使う刀によって持ち方を変えること
彫刻刀は手軽に使うことができますが、先は鋭い刃物です。使い方を間違えたり、きちんと守らなければケガや事故に繋がりますので注意しましょう。
彫刻刀の持ち方は、鉛筆を握るようなイメージで肩や腕には力を入れすぎないことが大切です。もう片方の手は親指を添えて、彫刻刀を押し出すスピードや深さを調整します。
一気に深く掘ると間違えた時に修正できなくなるので、彫刻刀はあまり立てずに少しずつ削っていきましょう。
丸刀・三角刀・平刀は鉛筆と同じように持ち、もう片方の手の親指をそえて押し出します。広い面を彫る場合や、深めに彫る場合に使います。
切り出し刀は丸刀や三角刀に比べ、切り出す作業に向いています。線に沿って押し切るなどします。
彫刻刀は使い続けると切れ味が悪くなります
彫刻刀は鋭い刃物ですが、使い続けていると刃先が摩耗するなどして切れ味が悪くなります。切れ味が悪いまま使い続けると、つい力が入ってしまい手物が狂いやすくなりケガをする危険性が高くなります。
よく切れる彫刻刀の方が手や指を切ってしまうのでは、と思うかもしれませんが切れない彫刻刀を使い続ける方がリスクが高いのです。
切れ味が悪くなったと感じたら砥石を使って自分で刃先を研ぐと、切れ味が復活します。
刃の形状によって研ぎ方が違うので、それぞれに合った方法で研ぐようにしましょう。
あらかじめ彫刻刀の刃の形になっている専用の砥石も売られています。
また、普段使用したあとは乾いた布で汚れをきれいに拭き取り、サビがつかないように気をつけましょう。
彫刻刀の歴史は長く、技法もたくさんの種類があります
彫刻という技法は、世界中で古くから建築や美術など幅広く使われており、日本では伝統木版(浮世絵)の制作などでも必須の道具です。
特に切り出し刀は、別名「版木刀」とも言われ、浮世絵の輪郭線を切り出すために必須の彫刻刀でした。
平刀と呼ぶ中には、刃先が平らな平刀と弧になっている「間透(あいすき)」というものがあります。版画の際に「板ぼかし」という技法で使用されます。
刃が半円状の弧になった丸刀は、広い面積をさらうのにも使われますが、幅が狭くものは細かな彫りをするために使われます。より大きな範囲をさらうには、弧が緩やかな浅丸刀が便利です。
鋭い直線などに使いやすい三角刀は、力の入れ具合で太さの違う線が惚れます。V字の角度にも種類があるので、用途によって使い分けができます
昔を頃を思い出しながら子供と一緒に彫刻刀で作品作りを楽しんでみよう
図工や美術で一度は振れたことがある彫刻刀ですが、学校で使われる基本的なセットにあるもの以外にも刃の形状が違うものがいろいろあるんですね。
使ったことがあっても上手く使えなかったという人は、使い方のコツを知らなかっただけだったのではないでしょうか。
また、お下がりで古いものを使っていたなど切れない彫刻刀に気がついていなかったのが原因かもしれません。
それぞれの刃の形状と表現したい作品に合わせた使い分けすることも、思い通りの作品を作るためのコツといえるでしょう。
年賀状や絵手紙、季節の便りに簡単な版画を掘ってみたり、100円ショップなどで粘土を購入して作品を作ってみるなど使い方のコツを知った上で使うと、より楽しめるのではないでしょうか。