亀が冬眠から目覚める時のプロセスと目覚めた後の飼育方法を解説
2018.12.10
寒い季節になると亀が冬眠することがあります。まだ亀を飼いはじめてから期間の浅い人は、冬眠した後どのように亀が目覚めるのかわからないこともありますよね。
冬眠した亀は飼い主さんが起こした方が良いのでしょうか。目覚めのプロセスを知って、亀のお世話をしてあげましょう。
そこで今回は、亀が冬眠から目覚める時のプロセスや水温・餌についてお伝えします。
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この記事の目次
亀が冬眠から目覚めるときのプロセス
亀は冬になると冬眠を行う生き物です。
冬眠から目覚めるのは個体差もありますが3月上旬から下旬にかけてが主な時期です。
3月に入ったら亀の冬眠用ケージの水温に注意しましょう。
亀が冬眠から目覚めるときに大事なことは、飼い主が強制的に亀を目覚めさせるのではなく自然と亀が目覚めてくれるようにサポートするという心がけです。
強制的に亀を目覚めさせてしまうと、亀の体に大きな負担がかかり命の危険があるため亀が自分で起きるまで待つようにしましょう。
彼ら爬虫類には下記のような目覚めのプロセスがあります。
- 「起きてみただけ」
- 「温かくて寝ぼけまなこ」
- 「体力回復」
- 「本格的活動開始」
各プロセスに対処があり急かしてしまうと残念な結果をもたらします。
前年の秋から慎重に計画を立てて冬眠をした彼らと再会できる待ちに待った瞬間ですが、それは冬眠失敗を目の当たりにしてしまう瞬間である可能性もあります。
暖かくなってきたからと冬眠ケージを開けたらミイラになっていた、水入れの中で溺れたのか動かなくなっていた、外に出していたら夜中の間に冷たくなっていた、など今までの苦労が水の泡になることもあります。
亀のペースに合わせてゆっくりと冬眠からの目覚めをサポートしましょう。
亀を冬眠から目覚めさせる方法
亀を冬眠から目覚めさせるときは、3月を目処に冬眠用のケージを少しずつ置き場所を変えて様子を見るだけです。
5℃前後の薄暗くて寒い場所から少しづつ明るくて暖かい場所に移してあげるのも効果的です。
いきなり暖かくして急激な変化をつけてしまうと亀の体には大きな負担となります。
3月に入ってから少しづつ春がきたことを教えてあげるのが良いでしょう。
そうしたことを行っても起きてこない場合などはなにかしら異常が発生している可能性があります。
冬眠期間の限界である4ヶ月を過ぎても起きてこないとき
眼が落ち窪んでいる、皮膚がおかしいなどの異常がある場合
上記などの場合は強制的に冬眠を終了させてすぐに動物病院を受診してください。
健康な亀でも冬眠に耐えられるのは4ヶ月前後までが限界です。
4ヶ月を超えても起きてこない場合は一度様子を確認しましょう。
亀が冬眠から目覚めた時の水温と餌について
亀が冬眠から目覚めたら冬眠明けのプロセスを思い出して対処をしていきましょう。
起きてみただけ
2月に入りちらほらと温かい日もあるようになると昼の気温が高い時間に動き始めることがあります。
この目覚めは人間でいうところの「明け方にのどが渇いて目が冷めた」というような一時的なものでまだ眠りたい状態です。
ですからもちろん餌も食べませんし日光浴も行いません。
早々と隠れてしまうと思いますが、これは目覚めが近いしるしです。
この時期は毎日一回はケージを確認しましょう。
暖かくて寝ぼけまなこ
このときは人間で言えば「あと五分…」のタイミングです。
最低気温が10℃前後になってきたくらいにこういった状態になります。
この状態のときに「冬眠用ケージを暗くしたまま日陰から日の当たるところに移し」ましょう。
この時期の観察は3つの時間帯がポイントです。
- 日が昇って暖かくなり始める10時前後
- 日が最も高い正午過ぎ
- 日が傾きかけて温度が下がり始める15時前後
この時期になると多少動くようになるかもしれませんが、爬虫類は変温動物です。
まだしっかりとした目覚めには程遠く体温が足りていません。
焦らずゆっくり慣らしていきましょう。
体力回復
ここまでくると「眠いけど朝ごはんを食べなきゃ」という状態です。
日中の温かい日が続くような時期になってくるといよいよ日光浴で活性化されて、活発な行動を開始します。
昼間に時間のある方は10時から14時の4時間ほど、ケージの多いを取り外して日光浴をさせてあげましょう。
もし時間が取れなければお休みの日の昼間だけでも充分です。
ただ、この時期は夜にはケージの覆いをするのを忘れないようにしてください。
夜には気温が下がりますのでしっかり守ってあげましょう。
本格的活動開始
ついに亀も「朝の始業」を迎えるタイミングです。
3月半ばあたりには様子を見ながら覆いを外して外にケージを置きます。
ただしここでも夜には覆いをしましょう!
この頃から亀は活発に活動を開始します。
ここでいう活発な活動とは「索餌(餌を探すこと)」と「繁殖(雄が雌を追いかける)」のことです。
様子を見ながらケージを徐々に普通の状態にしていきましょう。
亀の冬眠中に飼い主さんがすること
冬眠中にも飼い主さんは注意することがあります。
それは下記三点です。
- 水温は常に5℃前後にし、絶対に凍らせないこと。
- 様子がおかしいと思ったらすぐに対処すること。
- ときどき水槽をチェックすることを忘れないこと。
変温動物である亀の冬眠に一番適した水温(気温)はだいたい5℃前後です。
これよりも高すぎるのも低すぎるのもNGですのでご注意ください。
水が凍り始める0℃になってしまうと亀もそのまま凍ってしまいますし、もし生きていたとしても寒さに異常に強くなってしまったりしてうまく冬眠を行えず体力を無駄に消耗してしまい命の危険に関わります。
しっかりとした温度管理をしましょう。
さらに冬眠中でもなにか異変が起きる場合もあります。。
皮膚や甲羅などの体の様子がおかしくなったり、眼が落ち窪んできたり痩せているときなどには命の危険があります。
すぐに冬眠を中止させ動物病院で治療を受けましょう。
移動の際は水中ヒーターなどで2~3時間ほどかけて温度をゆっくり上げて水温が15~20℃になるのを待ちます。温度をキープしたまま病院へ向かいましょう。
また冬場はとても乾燥するため水槽の水はどんどん蒸発してなくなっていってしまうので注意が必要です。
冬眠中は水換えや掃除の必要はありませんが最低でも一週間に一度はチェックして水が減っていないか、乾燥しすぎていないかなどを確認してください。
亀の冬眠の必要性について
厳しい自然環境で生きている亀は環境条件が悪くなると仮眠状態になって過ごします。
冬に冬眠するだけでなく夏に夏眠する種類も存在し、マダガスカル南西部のクモノスガメなどは乾季の間は地中に潜って夏眠をして過ごします。
亀は周りの温度が上昇すると体温も同じように上下してしまう変温動物という動物です。そのため寒くなると冬眠をします。
ですが家庭で飼う場合、冬眠をさせるかどうかは亀の飼い方や種類、健康状態などによっても変化します。
例えば屋内で亀を飼っている場合、温度の関係でうまく冬眠ができないなんてこともあります。
そういった場合は冬眠させるかなどを健康状態で判断することもできます。
冬眠をさせない場合にも対処法が存在しますが、本当に冬眠をさせなくてもいいかは動物病院などで相談してからでもいいかもしれません。
ご自宅の亀に合わせて冬眠が必要かどうかを見極めていきましょう。